水槽のpHはなぜ変動するの? -7- まとめ

 このシリーズも ・・・ いよいよ最終回 。  ・・・ まとめです。

水草水槽のpHは照明のON,OFFによって なぜに 変化するのか?

  ・・・・・ 中学の理科「マツモの光合成 実験」では ・・・光合成によって水中の

       炭酸ガスが消費され、水がアルカリ性になる。

   こんな説明になっているようです。    

   しかし ・・・・これでは 水が場合によってはpH=10にもなるのは説明でき

         ない? ・・・ とも言われています。 


今回の実験結果からは こんな結論になりました。

  ・・・・・ 照明の点灯で、水草水槽の水はアルカリ性に大きく動くが、溶存炭酸量

       を示すCO2モニタのpHは水草なしと大きくは変わらない。

この結果を踏まえての結論は・・・・

 光合成で水がアルカリ性になるのは ~~ 「炭酸ガスの消費」よりも、「葉緑体

 プロトン・ポンプ説」の寄与が大きい ・・・ こんな結論です。


 プロトン・ポンプ説とは ・・・ 

   光合成のワン・プロセスです。  ・・・・ こんな意味ではないでしょうか? 

植物の光合成は、細胞中の葉緑体で行われます。まず、葉緑体中のチラコイド膜上で、光誘起電子移動反応が起り、還元力を持つNADPHが生成します。また葉緑体が水を分解して H+ を生成させ、 チラコイド膜の外側から内側へとプロトンを輸送して濃度勾配をつくります。外はアルカリに、中は酸性となるわけです。  ・・・・・このプロセスですね。 ・・・ 光が強く、条件が良いと 汲み入れた状態が持続します。  結果的に内外でpH3.5程の差が生じます。

このプロトンの濃度勾配を利用して高エネルギー化合物であるATPが合成されます。次に、葉緑体中のストロマにおいてNADPHとATPを用いて、二酸化炭素を還元し、糖を合成します。


プロトン・ポンプ ・・・ プロセス  引用 

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二酸化炭素の還元による糖合成 ・・・プロセス  引用

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       ・・・・・ 今回の結果は、あくまで 私的な検証実験であり、水槽水のpH測定と溶存炭酸のCO2モニタ結果から考察したものであります。光合成の事実をなんら担保するものではありません。

 


  光合成については 下記を引用させていただきました。

     光合成の光エネルギー変換メカニズム



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