水草とCO2のご関係 を考える -(5)

  敵は溶存二酸化炭素にあり ・・・・昨日までの攻防で判りました。
 ・・・ しかし 溶存二酸化炭素 というのは判りにくい言葉ですねぇ。         普通 水に溶けているというのは イオンになっていること たとえば塩はNa+, Cl- になることですよね。
溶存二酸化炭素は、イオンではありませんので水和(水が付加している)の方が 適切かなぁと思います。   ・・・ いかがでしょうか?


またホテルや旅館に掲示されて温泉水の分析では遊離炭酸とか遊離二酸化炭素 と表示されています。
熱海某の温泉水分析結果
f:id:aquarin:20091204053311j:image


遊離・・・とは 感覚的にピッタリ ・・・ 良い表現ですね。

水道水や温泉水、鉱泉水の分析では この遊離炭酸はどのように測定するのでしょうか? 


遊離炭酸は、滴定法により総酸度と鉱酸酸度から求めることができます。    pH4.8以上の水は遊離炭酸だけであることから、指示薬をフェノールフタレイン(pH8.3)で滴定すると、炭酸水素イオンには関係なく遊離炭酸のみが滴定できます。
逆にpHが8.3より大きい水は遊離炭酸を含まないことから、メチルレッド(pH4.8)で滴定すると炭酸水素塩が滴定(鉱酸酸度)できます。


遊離炭酸の測定法
  (1) 検水100 mLにフェノールフタレイン液を添加後、微紅色が残るまで0.02 NのNaOH溶液で滴定する。
  (2) NaOH溶液の滴下量a (mL)から,総酸度(mg/L)= a*10 を求める(NaOH溶液の力価=1の場合)
  (3) 検水100 mLにメチルレッド・ブロムクレゾールグリーン混液を添加し、同NaOH溶液で滴定する。
  (4) 青色を呈するまでのNaOH液の滴下量(b ml)から 鉱酸酸度(mg/L)=b*10を求める。

     遊離炭酸(CO2㎎/l)=〔総酸度(㎎/l)−鉱酸酸度(㎎/l)〕×0.88

     ・・・・・・通常水では鉱酸酸度は無視してもよい。 


某メーカーでは この溶存二酸化炭素の測定キットを販売しています。
f:id:aquarin:20091204062739j:image


 ボトルが二本しかありませんね。
上記の鉱酸酸度は無視しているんですかね。  ・・・・・ということは ボトルはpH指示薬のフェノールフタレインとアルカリ液かな。 
測定手順はカタログによれば 「 ・・・ 試薬1 を測定用のメスカップに5滴加えます。 試薬2 を数えながら一滴ずつ加え、ゆるやかにゆすります。 ピンク色の彩色が、30秒以上続いた滴数に、2mg/lを掛けた値が溶存二酸化炭素量 ・・・」 らしい です。
 ・・・やっぱり 指示薬はフェノールフタレインで総酸度を求めているようですね。


滴定法で溶存二酸化炭素が測定できることが判りましたが、これはバッチ測定で 水槽の連続測定 つまりモニターにはなりませんね。


  ・・・・まだまだ 道は遠いようです。  続く ・・・  のかな ?


  引用 : 厚生労働省「水質管理項目の検査方法」